2026年10月11日
変形性膝関節症と食事
変形性膝関節症に関連する痛みや、症状の改善と食事の関係について、これまで多くの研究が行われてきました。

当院でも食事の内容や、どんな物を摂取すると良いのか度々ご相談をいただきます。
これまでの研究と照らし合わせながら見ていきましょう。
減量と食事
変形性膝関節症の症状改善に減量が有効であることは周知の事実です。
医療機関を受診した際に、減量を指示された経験がある方も多いと思います。

55歳以上の変形性膝関節症患者454名を対象とした研究では、18ヶ月間の観察で体重の減少率が「運動のみ実施の群」に比べ、「食事のみ調整した群」の方が高かったことが報告されています。
しかし、この研究で最も体重減少率が高かったのは「運動実施+食事調整」の群であったことは言うまでもありませんが、これだけ食事の影響は大きということです。

歩行時の膝痛について↓
https://asano-kasukabe.com/blog/歩行時の膝痛について/
どんな食材が良いのか
これまで様々な食材に着目して研究が行われてきましたが、青魚などに含まれる油(オメガ3脂肪酸)についての研究が報告されています。

変形性膝関節症患者202名を対象に行われた研究で、2年にわたりサプリメントなどで知られる低用量のオメガ3脂肪酸を摂取した被験者で痛みや日常生活の機能が改善したことが報告されています。

興味深いことにオメガ3脂肪酸を多く摂取すれば良いということではなく、どんな食材にも適量があるのかもしれません。
膝の痛みと筋肉の関係↓
https://asano-kasukabe.com/blog/膝の痛みと筋肉の関係/大腿四頭筋/
サプリメント
サプリメントは日本国内でも多くのものが市販されており、手軽の摂取することのできる食品の一つです。
中でも膝痛に関連するサプリメントとしては、グルコサミンやコンドロイチンが有名です。

これらのサプリメントについての研究も広く行われていますが、一般的な鎮痛を目的とした薬や偽薬(薬に見立てた偽薬)と比較した結果、顕著な症状の改善を示すデータは多くありません。
一方で僅かながら痛みの改善が認められた研究もあり、一切無効ということではないのかもしれません。
変形性膝関節症のグレード(段階)について↓
https://asano-kasukabe.com/blog/変形性膝関節症のグレード段階について/
まとめ
他にもビタミンDやクルクミン、ウコンなど様々な食品と変形性膝関節症の関連を調べた研究が実施されています。
これらの研究結果からも特定の食品のみを摂取すれば良いというものではありません。
適切な食事、運動、生活習慣などへの総合的な介入が症状の改善に重要です。

本記事は特定の食品への有効性や摂取を推奨するものではありません。
減量や栄養摂取の考え方の一助となれば幸いです。
当院では、変形性膝関節症に対する運動療法、セルフケアなどへの助言を行なっています。
膝痛でお困りの方はご相談ください。
当院の変形性膝関節症治療についてはこちら↓
https://asano-kasukabe.com/knee/
【参考文献】
1)Messier SP, Mihalko SL, Legault C, Miller GD, Nicklas BJ, DeVita P, Beavers DP, Hunter DJ, Lyles MF, Eckstein F, Williamson JD, Carr JJ, Guermazi A, Loeser RF. Effects of intensive diet and exercise on knee joint loads, inflammation, and clinical outcomes among overweight and obese adults with knee osteoarthritis: the IDEA randomized clinical trial. JAMA. 2013 Sep 25;310(12):1263-73.
2)Hill CL, March LM, Aitken D, Lester SE, Battersby R, Hynes K, Fedorova T, Proudman SM, James M, Cleland LG, Jones G. Fish oil in knee osteoarthritis: a randomised clinical trial of low dose versus high dose. Ann Rheum Dis. 2016 Jan;75(1):23-9. doi: 10.1136/annrheumdis-2014-207169.
3)Feng J, Li Z, Tian L, Mu P, Hu Y, Xiong F, Ma X. Efficacy and safety of curcuminoids alone in alleviating pain and dysfunction for knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. BMC Complement Med Ther. 2022 Oct 19;22(1):276.
4)Arden NK, Cro S, Sheard S, Doré CJ, Bara A, Tebbs SA, Hunter DJ, James S, Cooper C, O’Neill TW, Macgregor A, Birrell F, Keen R. The effect of vitamin D supplementation on knee osteoarthritis, the VIDEO study: a randomised controlled trial. Osteoarthritis Cartilage. 2016 Nov;24(11):1858-1866.
5)Clegg DO, Reda DJ, Harris CL, Klein MA, O’Dell JR, Hooper MM, Bradley JD, Bingham CO 3rd, Weisman MH, Jackson CG, Lane NE, Cush JJ, Moreland LW, Schumacher HR Jr, Oddis CV, Wolfe F, Molitor JA, Yocum DE, Schnitzer TJ, Furst DE, Sawitzke AD, Shi H, Brandt KD, Moskowitz RW, Williams HJ. Glucosamine, chondroitin sulfate, and the two in combination for painful knee osteoarthritis. N Engl J Med. 2006 Feb 23;354(8):795-808.
この記事を書いた人
あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。
【保有資格】
・柔道整復師
・柔道整復専科教員
・日本柔道整復接骨医学会認定 柔道整復師
・日本超音波骨軟組織学会認定 基礎運動器系超音波検査技師
・登録販売者(医薬品販売業)
【学位】
・修士(柔道整復学)〔東京有明医療大学〕


