2026年02月28日

歩行時の膝痛について

多くの方が訴える「歩いた時の膝の痛み」について、膝蓋下脂肪体の硬さと関連があるかもしれません。

 

 

 

膝の痛み


歩行中や階段の昇り降り、または動きはじめの動作時に、膝のお皿周りが痛むとういう症状が多く認められます。

実際に患部に触れてみると、押した時の痛みを自覚することもあります。

痛みと共に曲げにくさも相まって、しゃがむことができない、足が上がらないなどの動作に対する制限も伴います。

 

 

しゃがんだ時の膝の痛みについて↓

https://asano-kasukabe.com/blog/しゃがんだ時の膝痛/膝伸展機構/

 

 

 

膝蓋下脂肪体


これらの痛みや症状には膝蓋下脂肪体が関連しているかもしれません。

膝蓋下脂肪体は、お皿の下方に存在し関節に対する衝撃緩衝や、円滑な関節運動に対して重要な役割を果たすことが報告されています。

近年、その注目度が高まる一方で、未だ明らかになっていないことも多い組織の一つです。

 

 

 

膝蓋下脂肪体について↓

https://asano-kasukabe.com/blog/膝前面の痛み 膝蓋下脂肪体/

 

 

膝蓋下脂肪体の硬さ


この膝蓋下脂肪体が何らかの原因により硬くなる可能性が指摘されています。

例えば、関節内での炎症により線維化と言われる状態から硬さが生じ、本来の衝撃吸収などの機能を失い、痛みの要因となることが考えられます。

体表から膝蓋下脂肪体に直接触れることで、その硬さをゴリゴリという感触と共に感じることもあります。

 

 

 

 

最近の研究


Ishiiら1)Sugimotoら2)の高齢者を対象とした研究では、歩行時の膝蓋下脂肪体に対する形態変化能力の低下、つまり硬くなっている状態が症状と関連していることを報告しました。

Faganら3)やHarkeyら4)の研究では、膝関節の重要な靭帯である前十字靭帯再建術後の10代から30代までの患者を対象に調査を行い、やはり膝蓋下脂肪体が関節の変形や症状と関連してる可能性を指摘しています。

これらのことから、膝蓋下脂肪体は高齢者だけでなく、膝関節痛において広く関連し得る組織であることが予想されます。

 

 

 

 

最後に


膝蓋下脂肪体に対する治療方法や、その有効性については未だ議論が続いており、未確立なことが多いのが現状です。

しかしながら臨床現場では、運動療法や徒手的な施術によって一定の症状改善が得られることも経験されます。

先述した膝痛や症状にお悩みの方は、この組織に注目することも重要かもしれません。

 

 

当院での膝痛治療に関して↓

https://asano-kasukabe.com/knee/

 

 

 

【参考文献】

1)Ishii Y, Sugimoto M, Nekomoto A, Nakamae A, Zhu K, Hashizume T, Matsumura K, Nakashima Y, Takahashi M, Adachi N. Restricted morphological changes in infrapatellar fat pad during walking is revealed as a dynamics feature in symptomatic knee osteoarthritis. J Med Ultrason (2001). 2026 Jan;53(1):97-104.

2)Sugimoto M, Ishii Y, Nakashima Y, Kamei G, Nekomoto A, Hashizume T, Okinaka R, Matsumura K, Takahashi M, Adachi N. Dynamic feature of infrapatellar fat pad during walking in patients with knee osteoarthritis. J Med Ultrason (2001). 2025 Apr;52(2):219-226.

3)Fagan M, Fajardo R, Grozier C, Jildeh TR, Lissy M, Harkey MS. Ultrasound assessment of the infrapatellar fat pad can detect Hoffa-synovitis in patients following anterior cruciate ligament reconstruction: A pilot study. Osteoarthr Imaging. 2024 Mar;4(1):100174.

4)Harkey MS, Grozier CD, Tolzman J, Parmar A, Jildeh TR, Lissy M, Dima R, Hart HF, Fajardo R. Shear wave elastography reveals elevated infrapatellar fat pad stiffness in patients with early osteoarthritis symptoms after ACL reconstruction. Osteoarthr Imaging. 2025 Jun;5(2):100267.

この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。

【保有資格】

・柔道整復師
・柔道整復専科教員
・日本柔道整復接骨医学会認定 柔道整復師
・日本超音波骨軟組織学会認定 基礎運動器系超音波検査技師
・登録販売者(医薬品販売業)

【学位】

・修士(柔道整復学)〔東京有明医療大学〕