2024年09月27日

変形性膝関節症/加齢による半月板損傷

中高年の膝痛に関して、最も多く

見られる要因の一つに変形性膝関

節症があります。

そして変形性膝関節症と同時に半

月板の損傷が度々認められます。

 

 

 

半月板とは


半月板は大腿骨と脛骨の間(大腿脛

骨関節)にある膝の軟骨で、内側と

外側にそれぞれ存在し膝関節の荷

重に対する衝撃の吸収に関連して

いることが広く知られています。

 

 

 

 

半月板損傷


半月板損傷の画像検査ではMRIが

広く用いられます。損傷の様式に

様々な形態があり、MRIの所見

どを参考に、時には関節鏡によ

半月板の切除術などが実施され

こともあります。

 

 

症状として特徴的なものに膝の曲

げ伸ばしができなくなる「ロッキ

ング」や、引っかかりや違和感が

現する「キャッチング」などが

あります。

これは損傷した半月板が遊離する

などの原因によって生じる症状と

考えられます。

 

 

 

 

偶発的に見つかる半月板損傷


半月板は加齢と共に損傷していく

ことが報告されています。

 

 

 

 

しかし、半月板が損傷しているに

も関わらず無症状な症例が存在す

ることも同時に指摘されています。

つまり画像検査などの結果から、

半月板損傷が認められるものの痛

みの原因は半月板ではないという

ことです。

ある研究では、50歳から90歳の

991名の右膝を対にMRIの検査を

実施したところ、308名に半月板

損傷が認められました。

そのうちの180名、約60%は膝痛な

どの症状がない人々でした。

また他の研究では、平均年齢65歳の

100名の検体の両膝を調査したところ

そのうちの60名に半月板損傷を認め

た報告がされています。

これらのことから加齢に伴う半月板

損傷は一般的なものと考えられます。

 

 

画像所見のみに依存


MRIなどで認められる半月板損傷は

大変重要な所見です。

しかし膝痛の根本的な原因が画像

所見と必ずしも一致するとは限り

ません。

画像所見のみの評価に依存するの

ではなく、実際に患部に触れて時

には徒手的な検査も併せて実施し

画像所見も含めた総合的な判断に

よって膝痛の原因を評価すること

が望ましいと考えられます。

 

 

 

 

 

まとめ


高齢者の膝痛として変形性膝関節症は

広く知られています。この症状に対し

実施されるMRI検査では、度々半月板

損傷が認められます。

半月板損傷は加齢と共に損傷がすすむ

ことが報告されており、その中には

症状の症例もしばしば存在します。

これらの事からも画像所見のみではな

く、身体的な所見を含めた総合的な評

価が重要です。

 

 

 

当院での変形性膝関節症の治療はこちら↓

https://asano-kasukabe.com/knee/

 

 

 

【参考文献】

 

(1) Englund M, Guermazi A, Gale D, Hunter

DJ, Aliabadi P, Clancy M, Felson DT.

Incidental meniscal findings on knee MRI

in middle-aged and elderly persons.

N Engl J Med. 2008 Sep 11;359(11):1108-15.

 

(2)Noble J, Hamblen DL.

The pathology of the degenerate meniscus

lesion.

J Bone Joint Surg Br. 1975 May;57(2):180-6.

この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。