2024年12月14日

変形性膝関節症のグレード(段階)について

高齢者の膝痛に関して、最たる要因に

変形性膝関節症があります。

この症状については、近年の高齢化社

会に伴い、耳にすることの多い傷病と

考えられます。

 

 

 

 

変形性関節症とは


原因は複数存在しますが多くの場合、

加齢により関節軟骨が傷つくことが代

表的な要因です。

 

肥満や遺伝的要因も関連することが知

られており、男性に比べ女性に多くみ

れることも特徴です。

 

 

 

 

症状


階段の昇り降りやしゃがみ込み動作で

の痛み、膝の関節を曲げたり伸ばし

たりできなくなる可動域制限がありま

す。

また、膝の関節に「水がたまる」とい

う症状も認められます。

 

 

 

変形性膝関節症の段階とは


過去に変形性膝関節症と診断されたこと

がある方やこれらの症状に心当たりがあ

方は少なくないと思います。

しかし、変形性膝関節症にも初期の症例

から末期のものまで様々であり、その評

価には一定の基準が必要です。

では、変形性膝関節症はどのようにし

価されているのでしょうか。

 

 

ケルグレン・ローレンス分類


変形性膝関節症の評価法として最も広く

用いられているもののひとつに、ケルグ

レン・ローレンス分類があります。

これは1957年にケルグレンとローレンス

が発表した、レントゲン画像を用いた評

価方法です。

変形性関節症の特徴ともいえる、関節の

間や骨棘の形成、また骨硬化などの画像

上に認められるこれらの所見を評価項目

して、正常のグレード0から重度のグレ

ド4までの5段階で評価されます。

経年生の変化により、このケルグレン・

ローレンス分類のグレード(段階)が段階

的に進行していくことが予想されます。

 

 

グレードと治療の関係


変形性膝関節症に対する治療方針の選定

には、画像での評価としてケルグレン・

ローレンス分類を判断材料に用いること

があります。

しかし、これらのグレードと患者さんが

自覚する症状が必ずしも一致するとは限

りません。

重度のグレードにある患者さんがあまり

痛みを自覚しない場合などもあり、また

その逆も然りです。

詳細な治療方針の決定には、画像の評価

だけでなく、様々な所見を評価対象とし

て選定していく必要があります。

 

変形性膝関節症の施術についてはこちら↓

https://asano-kasukabe.com/knee/

 

 

【参考文献】

(1)Kohn MD, Sassoon AA, Fernando ND.

Classifications in Brief: Kellgren-Lawrence

Classification of Osteoarthritis. Clin Orthop

Relat Res. 2016;474(8):1886-93.

(2)KELLGREN JH, LAWRENCE JS. Radiological

assessment of osteo-arthrosis. Ann Rheum

Dis. 1957;16(4):494-502.

この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。