2025年08月08日
坐骨神経痛の評価について
坐骨神経痛は、殿部や下肢の痛み、痺れなどの症状として一般的に広く知られています。
臨床においても腰痛が認められ、さらにこれらの症状を併発している場合、しばしば坐骨神経痛の症状が疑われます。
坐骨神経痛
あるデータでは、腰痛は人口の70%が経験すると言われるほど一般的な症状です。
この腰痛に加え、殿部から下肢にかけての痛みや痺れの症状を「坐骨神経痛」として評価することがあります。
坐骨神経痛は傷病名として扱われることが多々あります。
しかし、実際には腰や殿部を通る坐骨神経が様々な要因で障害されることで生じる、神経痛に対する複合的な症状を示した名称です。
これらのことから近年、坐骨神経痛の名称や鑑別すべき類似疾患の呼称について、専門家の間で議論が続いています。
坐骨神経痛の有病率
有病率とは、あまり聞きなれない言葉ですが簡単に言えば、ある集団の中にその疾患の人がどの程度いるかを表した数値です。
坐骨神経痛に対する有病率について報告された23編の論文をレビューしたkonstantinouらの研究では、それぞれの論文間で1.2%〜43%もの幅があったと報告しています。
有病率にこれだけの差が生じることは、評価者によって坐骨神経痛に対する定義付けや基準が異なることを意味している可能性が考えられます。
下肢痛の原因
臨床現場において、腰痛に伴う殿部や下肢の痛みが散見されます。
これらの症状に対して、当然ながら全ての症例が坐骨神経痛とは限りません。
筋・筋膜性の疼痛や腰痛に関連する放散痛などによっても、坐骨神経痛と類似した症状を呈することがあります。
症状の原因によって治療の方針は異なるため、その下肢痛がどの組織由来のものであるのかを正しく評価する必要があります。
上述の通り、評価者により坐骨神経痛に対する基準が異なる傾向が見られることからも、現在の殿部痛や下肢痛が坐骨神経が障害されていることによって生じている症状であるかのか、適切な評価が求められます。
当院での施術
腰痛に伴う殿部痛や下肢痛の全てが坐骨神経痛とは限りません。
神経障害により生じた痛みや痺れは、非常に頑固であり改善までに時間を要することは珍しくありません。
当院では、坐骨神経痛を含め腰痛に伴う下肢痛などに対し積極的な施術やセルフケアなどをお伝えしています。
これらの症状でお困りの方はご相談ください。
当院での腰痛に対する治療についてはコチラ↓
https://asano-kasukabe.com/waist/
【参考文献】
Sciatica:Review of Epidemiological Studies and Prevalence Estimates
Kika Konstantinou, PhD, and Kate M. Dunn, PhD
この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。