2020年09月23日
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
「ドケルバン病」、聞き慣れない病名かもしれません。
四肢のあらゆる部位で起こる腱鞘炎の中でも、発生頻度の高いものの一つです。
ドケルバン病は、手首から親指の付け根あたりにかけて痛みが出現します。
人の手首には、いくつかの腱鞘という腱が通過するトンネルのような組織が存在します。
このドケルバン病は第一区画と呼ばれる上記の部位にある腱鞘に対して発生する腱鞘炎を指します。
腱鞘とは腱を刀に見立てた時、それを収める鞘(さや)となっているものです。
第一区画の腱鞘内を、腱が頻繁に通過し摩擦ストレスを発生させて起こるのがドケルバン病です。
第一区画には長母指外転筋と短母指伸筋が通過し、これらの活動に伴い痛みが出現します。
産後や更年期の女性に多くみられますが、デスクワークや手を頻繁に使用する方にも発生し幅広い年齢や性別で発症します。
顕著な症状では手首周囲が腫れて発赤が見られるようになり、母指以外にも浮腫みが出現する事もあります。
レントゲンでの腱鞘の観察は不可であり、この場合エコーが力を発揮します。
腱鞘の腫れ具合を断面として評価する事ができます。
治療は腱鞘内にステロイド注射を実施したり、改善がみられない場合には腱鞘を切開する手術などもあります。
ここでドケルバン病を疑う症状に対して、セルフチェックテストをご紹介します。
まず1つ目は親指で握り込み、そのまま小指側に向かって手首を倒します。これで痛みが出現する場合、ドケルバン病が疑われます。
また症状が強い場合には、親指を握り込んだ時点で強く痛む場合が殆どです。
2つ目は写真の様に親指を摘み、1つ目のチェック同様に小指側へ引っ張るイメージで倒していきます。
これで痛みが出現する場合に、やはりドケルバン病を疑います。
当院では、患者様一人一人にあった固定具の作成を推奨しております。
正確な固定により、日常生活への支障を最小限に抑えて患部の安静を保持します。
更に腱鞘炎に対する詳細な治療内容こちら↓
http://asano-kasukabe.com/tendonitis/
また、固定を実施しながら物理療法や運動療法を合わせて行って行きます。
ドケルバン病を始め、腱鞘炎は難治な症状であり治癒までに時間を要することが殆どですが、速やかな対応と患部の安静保持が近道となります。
中には数年間これらの症状に悩まされている方や手術後の再発例なども珍しくありません。
腱鞘炎でお困りの方は是非ご相談下さい。
この記事を書いた人
あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。