2024年06月11日

しゃがんだ時の膝痛/膝伸展機構

物を拾う際や座る際のしゃがみ込み動作では

しばしば膝痛がみられます。

この膝痛で、特に前側の痛みやつっぱり感な

どの症状がある場合には、「膝伸展機構」の

障害が考えられます。

 

 

膝伸展機構とは


膝伸展機構とは、大腿四頭筋、大腿四頭筋腱、

膝蓋骨、膝蓋腱、脛骨粗面の膝を伸展(伸ばす

動き)させることを担うメカニズムや組織の総

称です。

膝蓋骨は、このメカズムにより膝の曲げ伸

ばしに伴い上下に移動するとさており、膝

伸展機構の障害はこの膝蓋骨の動きを妨げ

など痛の原因となることが考えられます。

 

 

膝伸展機構に関連するその他の組織


膝前面には脂肪体や膝蓋上包など、その他に

も様々な組織が存在します。これらは膝伸展

機構の正常な活動に関連しており、また線維

化などにより硬くなったり拘縮を起こすこと

が知られいます。

その影響により膝伸展機構が正常に機能せず

痛みを発生させます。これらの組織以外にも

皮下組織や周囲の靭帯なども存在し膝前面は

解剖学的に複雑であり、膝伸展機構に関連す

るこれらの組織の障害は、しゃがんだ際など

膝痛に直結するものと考えられます。

 

 

 

 

 

評価


膝伸展機構の障害は痛みの部位によって評価

は様々ですが、画像検査をしたり膝蓋骨の動

きや高さなどを左右で比較して責任病巣を限

定します。

 

 

膝蓋骨は膝の屈伸に伴い上方に約8cm、下

方に2cm程度動くとされています。また正

常では膝蓋骨の下端は膝の関節部とおおよ

そ同じ高さに位置にあるため、動きや高さ

の評価は重要となります。

 

 

 

治療


上述の通り膝伸展機構が正しく働くために

は膝蓋骨の動きの正常化は欠かすことがで

きず、これを目的とした徒手療法を実施し

ます。その他にも大腿四頭筋の筋力を向上

させる運動療法やストレッチ、他にも殿部

股関節周囲に対する運動療法やインソー

ルなどを使用する場合もあります。

 

 

 

まとめ


荷重を受ける関節である膝には膝伸展機構が

存在し、これらの障害はしゃがみ込みでの痛

みの原因となります。治療は保存(手術ではな

い)療法が中心となりますが、長期的な痛みに

悩まされることもしばしばあります。このよ

うな場合では代償的にその他の部位の痛みが

発生し、より症状は複雑化させることも珍し

くありません。これらの症状でお困りの方は

是非ご相談ください。

 

 

この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。