2025年02月22日

膝の痛みと筋肉の関係/大腿四頭筋

大腿四頭筋は人体の筋肉中で、最も大きな

筋肉とされています。

 

 

この大腿四頭筋と膝の痛みには、深い関係

があると考えられています。

 

 

大腿四頭筋とは


大腿四頭筋は、太ももの前側に存在する大き

筋肉です。

機能としては、膝の関節を伸ばす(伸展)動作

寄与しています。

 

 

その名称からも四つの筋群に分割して、それ

ぞれ名称付けられており、近年、五つ目の筋

の存在が報告されるなど、未だ積極的な研究

続けられる筋肉の一つです。

また、肉離れなどケガを生じやすい筋肉のひ

とつでもあります。

 

 

 

膝痛腿四頭筋の関係


年齢層を問わず、様々な膝痛の発症に関連して

大腿四頭筋の機能が低下したり、萎縮すること

が報告されています。

 

膝の痛みにより、大腿四頭筋が正しく機能して

いない期間が長期にわたると、他の場所にも影

響し、新たな痛みの原因になるなど症状がより

雑化することも考えられます。

 

 

 

膝の痛みと大腿四頭筋に関する研究


現在まで、膝の痛みと大腿四頭筋の関係を調査

する研究は複数行われています。

 

 

ある研究では膝の関節に注射を打ち、人為的

膝痛を発生させて、大腿四頭筋にどのような

化が生じるかを観察する実験が行われました。

結果として、大腿四頭筋の筋力は速やかに12〜

34%減少してしまいました。

同様に人為的な膝痛を生じさせる研究では、大

腿四頭筋が関連する動作である、膝を伸ばす(伸

展)力が、同じく減弱しました。

 

 

これらの結果から膝痛発症後、早期のうちに大

腿四頭筋の機能が低下していくことが理解でき

ます。

 

 

 

大腿四頭筋の機能は改善する?


薬や手術など様々な治療により膝痛が改善した

後、大腿四頭筋の機能はどのように変化するの

か。

 

 

これについても、いくつかの研究によって調査

されており、結論として多くの場合、膝痛改善

後も大腿四頭筋の機能の改善は認められません

でした。

この結果からも膝痛発症後、可能なかぎり速

かに大腿四頭筋に対する運動療法を実施し、

かに機能を低下させないかに注力することが

後においても重要であると考えられます。

 

 

 

おわりに


大腿四頭筋に対する運動療法は、多くの施設で

実施されています。

その方法には一般的なものから、症状や対象者

に合わせ別なものまで多岐にわたります。

膝痛にお困りの方は、大腿四頭筋に注目すると

ともに運動方法なども検討、または専門家に相

談してみてください。

 

 

 

 

 

 

【参考文献】

1)Park J, Hopkins JT. Induced anterior knee pain

immediately reduces involuntary and voluntary

quadriceps activation. Clin J Sport Med. 2013

;23:19-24.

2)Henriksen M, Rosager S, Aaboe J, et al.

    Experimental knee pain reduces muscle

    strength. J Pain. 2011;12:460–467.

3)Suter E, Herzog W, Souza KD, et al.

    Inhibition of the quadriceps muscles in

    patients with anterior knee pain. J Appl

    Biomech. 1998;14:360–373.

この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。