2020年06月02日

腕が上がらない 肩関節拘縮

突然現れる肩の痛み・・・時には夜、寝返りを打つのも辛く日常生活にも多大な影響を及ぼす。皆さんもそんなご経験はありませんか?

これらが頻繁に発症する年齢として四十肩、五十肩と呼ばれ、または肩関節周囲炎と診断されたりもします。ホームページ内でもこの症状についてはご説明させて頂いていますが、痛みの後に苦戦する「拘縮」についてもう少し掘り下げてお伝えします。

教科書的には、よく症状の段階として炎症期拘縮期回復期といったように症状が段階的に移行する様子にそれぞれ名称が用いられています。炎症期は症状が発症してから間もないうちの最も痛みが顕著な時期で患部の安静保持が求められます。その強い痛みが消失した後にやってくるのが拘縮期です。拘縮期に入ると強い痛みは軽減するものの、肩関節周辺の筋肉や靭帯が硬くなり関節の可動域を制限し始めるのです。そしてその後、回復期として各症状が改善していくといったものです。

しかしこれはあくまでも教科書的であり、実際の臨床では明確に症状を段階的に分ける事はできず、それぞれの時期が重なり合っているものです。更に炎症期や拘縮期が長引いてしまった症例においては、自然と回復期が訪れるという事は殆どありません。つまり治療的な介入無くしては症状が改善しません。

炎症期の終盤に、つまり拘縮期へ移行している段階には適切な関節可動域訓練を実施しなければなりません。これを開始する時期が遅れてしまうと拘縮はみるみる進行してしまいます。拘縮期には炎症期にある炎症性の痛みではなく、組織の硬さが原因となる痛みがあります。それにより腕を挙げようとしたりすると、その硬さによる痛みを感じ動かす事をやめてしまい炎症期同様、必要以上の安静に勤めてしまい拘縮を助長するという負の連鎖に陥ってしまうのです。

実際、顕著な拘縮は自宅でのセルフエクササイズだけでは改善が期待できないことも多く、拘縮し状態の限られた可動域のみで腕を使うようになってしまうため上腕や肘に痛みが出るなど更なるトラブルにみまわれてしまいます。

四十肩、五十肩に限らず、大切ことは適切な関節可動域訓練をできる限り早期に開始して拘縮を抑制する事です。それでも発生してしまった拘縮に対しては、柔軟性を失ってしまった筋肉や靭帯に対して選択的にストレッチする事です。

随分前から腕が上がらないという方も諦めずに是非一度ご相談下さい。

この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。