2021年01月15日
手首の骨折 橈骨遠位端骨折
肘から手首にかけてを前腕といい、橈骨と尺骨の二本の骨で構成されます。
手首周囲の骨折は、転倒により手をついて発生するなど頻繁に起こる骨折の一つです。
特に橈骨遠位端骨折は、「コリス骨折」「コーレス骨折」など冠名で呼ばれ、高齢者の代表的な骨折の一つとなっています。
高齢者に多い骨折ではあるものの、外力を受け易い部位である事から若年層や中年層でも幅広い年代でしばしば見受けられます。
成長過程での骨折の場合、大人と違い小児の骨は柔軟性に富み厚い骨膜を有している事から若木骨折や竹節状骨折等という連続性の断たれた通常の骨折と異なる、へし曲がった様な特殊な骨折を呈する事があります。
橈骨遠位端骨折の多くが固定を装着して正確に癒合させる保存療法の適応となりますが、骨折の形状として著しいズレがあったり、粉砕してしまっている症例に対しては骨折部をプレート固定するといった観血療法が選択される事もあります。
保存療法の場合4〜6週間程度ギプス固定を継続しますが、その間には指や肘など関節も不動となる事から浮腫みの影響を受け非常に硬くなってしまいます。
固定期間においても動かすことのでき得る関節は可動させて硬くならないように注意して経過観察を継続します。
もちろん無理な可動域訓練は転位(骨折部のズレ)を助長させる為禁物です。
近年骨折に対する超音波治療が盛んに実施されています。
骨折に対する超音波治療を「LIPUS」といい骨折の癒合期間を約40%短縮させる事が可能とされています。
骨折の詳しい治療方針はこちら↓
これによって固定の期間が最短で済み、その後のリハビリテーションの期間に大きく影響します。
リハビリテーションが正確に行われなと手首の拘縮が残存し、それに伴う腱鞘炎や関節炎を惹起する事に繋がりかねません。
当院では橈骨遠位端骨折に限らず骨折を始めとした外傷の保存治療に積極的に取り組んでいます。
LIPUSの完備はもちろん、正確な固定とその後のリハビリテーションまで一貫して行っております。
近隣医院との連携もあり安心して治療をお受け頂ける体制が整っています。
ケガを予期できず一瞬の事であり、その後の速やかな処置が予後に大きく影響します。
ケガの際には速やかな受診を心がけて下さい。
この記事を書いた人
あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。