2023年04月26日

手のしびれ 手根管症候群

手の平や指のしびれの原因のひとつとして

手根管症候群があります。

手の平には骨や靭帯によって構成されるト

ンネルのような部分があり、それを手根管

といいます。

 

 

この手根管には様々な腱や神経が通っており

何らかの原因によってトンネル内でトラブルが

生じ手根管症候群を発症させます。

 

 

 

原因


多くの場合、手や指の使い過ぎがきっかけと

なりますが、時に妊娠中または産後、更年期

などの女性ホルモンの変化による影響を受け

る事もありますが不明なことも珍しくありま

せん。

 

 

これらの原因によって手根管内圧が高まり

トンネル内を走行する正中神経が障害され

手の平の痛みや親指から薬指にかけてのし

びれなどの症状を発生させます。

 

 

 

 

症状


痛みは朝方に強く出現することが多く

手を振ると一時的に症状が緩和すると

されます。

経過の長くなった症例では母指球が

痩せて、親指と人差し指で綺麗な丸を

作れなくなるなどの特徴的な症状が出

現します。

また神経の修復とは非常に緩慢であり

治療も長期となることが多くあります。

 

 

 

 

 

 

 

評価


手根管症候群に対してはエコー検査が

有効です。

圧迫されて形状が変化した正中神経を

観察することが可能です。

また徒手的な検査として、両方の手の

甲を合わせて手根管内圧を高め、症状が

誘発されるか否かを調べるテストなどもあります。

 

 

 

 

 

治療


手根管症候群の治療は非常に時間が

かかります。

手部への負担を減らすといった日常

生活動作への介入はもちろんですが

実際にはそれだけでは症状の改善が

得られない事が殆どです。

症状が顕著な場合には手根管を解放

する手術も検討しますが、手根管への

負担軽減を目的とした手首を固定する

装具なども有効な場合があります。

また、それらと共に超音波や電気治療

などの物理療法を並行して行う事が

効果的です。

 

 

 

 

 

最後に


手や指にしびれを生じさせる疾患は

手根管症候群に限りません。

頚部や肘周囲でのトラブルでも類似した

症状を認めることがありますので、どこの

部位で神経が障害されているのか正確に

評価することが治療においてとても大切です。

神経症状全般において、日常生活で意識せず

知らぬ間に負担となってしまっている事など

もありますので、これらの症状でお困りの方は

お早めに受診なさって下さい。

この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院 院長 浅野剛史

あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。