2020年12月18日
肩の痛み 腱板損傷
人の肩は非常に広い可動域を有しており、単純に肩関節といっても解剖学的、機能的に分類すると肩の中には様々な関節が存在します。
そんな肩関節において重要な機能を果たす「腱板」があります。
腱板は4つの筋肉から構成されており、肩関節の運動のみならず安定性にも寄与しています。
それらの筋肉の中でも「棘上筋」は最も損傷頻度の高い筋肉の一つです。
棘上筋は肩甲骨と鎖骨で構成されるトンネルを通過すように動くため、このトンネル内で挟み込まれたり年齢による変性や微小な損傷の積み重ねなど様々な要因で痛みが出現します。
スポーツではテニスなどのラケット競技や野球の投球などいわゆるオーバーヘッドスポーツでの損傷が頻発します。
棘上筋損傷では痛みと共に腕が上げられなくなり、上腕部に倦怠感が出現する事もあります。
高齢で変性が基盤にある損傷の場合強く痛まない事もありますが、何れにしてもこの症状を放置すると肩関節が硬くなり日常生活に支障をきたすようになります。
レントゲンで肩甲骨と上腕骨の位置関係を元に評価を行いますが、棘上筋自体を直接観察する事は出来ません。
近年では腱板に対するエコーを用いた評価がファーストチョイスとなりつつあります。
エコーはリアルタイムで棘上筋や関節内に貯留する水などを観察できるのと実際に肩関節を動かしながらの評価が可能なことが最大の特徴です。
また体への侵襲がなく短期間での繰り返し観察が可能です。
治療方針として受傷直後の急性期には三角巾など用いて安静とし、炎症消退と共に痛みが落ち付いてきたら運動療法を開始します。
先述の通り可動域制限の出現は殆ど必須であり、その他にも脆弱となった腱板に対してチューブを用いたトレーニングを実施し腱板の機能回復を行います。
受傷から時間が経過し顕著な関節の硬さを有した症例に対する可動域訓練は改善までに非常に時間がかかり患者様の負担も大きくなります。
受傷後は痛みの大小に関わらず速やかな受診が大切です。
↓肩関節の拘縮について詳しくはこちらをご参照下さい↓
当院では腱板損傷の疑われる症例に対しエコー検査を実施しております。
棘上筋を始めとした損傷部位を正確に評価し施術を開始します。
また施術の中でも特に運動療法に力を入れており、スポーツ活動への復帰や日常生活動作への支障を排除できるようにご自宅にてご自身で行う事のでいるセルフエクササイズも指導させて頂きます。
肩の痛み、腕が上がらないなどの症状でお困りの方は是非ご相談下さい。
この記事を書いた人
あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。