2026年01月28日
腱鞘炎と筋疲労の関係

手や指に頻繁に生じる腱鞘炎について、筋肉の疲労と関連しているかもしれません。
腱鞘炎について
腱鞘炎とは「腱」と、その通り道である「腱鞘」との間で炎症を生じるものです。
手首や指の繰り返し動作により、これらの組織に負荷がかかり腫れや痛みの原因となります。
とくに頻回な使用が求められやすい親指側での手首の症状は、「ドゥケルバン腱鞘炎」として広く知られています。
育児、家事、デスクワークなどで発症することが多く、近年ではスマートフォンの長時間使用も影響する場合がみられます。

ドゥケルバン腱鞘炎について↓
https://asano-kasukabe.com/blog/女性に多い、手の腱鞘炎/
小指側の腱鞘炎について↓
https://asano-kasukabe.com/blog/手首の腱鞘炎 小指側の痛み/
なぜ女性に多いのか?
腱鞘炎は男性に比べ、女性に多く発症することが知られています。
その要因の一つに、女性ホルモン(エストロゲン)の影響が考えられます。
妊娠中や産後、更年期などで女性ホルモンのバランスが大きく変化する時期には、腱や腱鞘に浮腫みが生じたり、組織の回復力が低下するといった反応が生じることがあります。
そのため、上述した時期にある女性に多いと考えられます。


女性ホルモンとの関係について↓
https://asano-kasukabe.com/blog/女性に多い、手の腱鞘炎/
筋疲労が及ぼす影響
腕などの使い過ぎによる筋疲労は、単に力が出なくなるだけでなく、動作の協調性そのものを変化させることが報告されています。
CowleyとGatesは、肩周りの筋肉と手や指の筋肉の疲労が、それぞれ異なる運動戦略の変化を引き起こすことを示しています。
簡単に言えば筋疲労が影響して、いつもの手の使い方から変化してしまうということです。
こうした変化は、手関節や母指を繰り返し使用する動作において腱への負担を増大させ、腱鞘炎の発症や増悪に関与する可能性があります。

臨床現場では
実際の臨床現場では、腱鞘炎のある方の多くが肩こりも同時に抱えています。
痛みの主な原因は、手や指の使い過ぎによる負担ですが、肩こりがあることで腕や手の動かし方のバランスが崩れ、結果として症状が長引いたり、複雑になっている可能性があります。

治療方針
腱鞘炎は、日常生活の動作の中で起こることが多いため、どうしても改善に時間がかかりやすい症状です。
もし治療を続けていても、なかなか良くならず経過が長引く場合には、痛みが出ている手首や指だけを見るのではなく、肩まわりなどもう少し体の中心に近い部分にも目を向けることが大切かもしれません。
当院での腱鞘炎治療について↓
https://asano-kasukabe.com/tendonitis/
【参考文献】
Cowley JC, Gates DH. Proximal and distal muscle fatigue differentially affect movement coordination. PLoS One. 2017 Feb 24;12(2):e0172835.
この記事を書いた人
あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。
【保有資格】
・柔道整復師
・柔道整復専科教員
・日本柔道整復接骨医学会認定 柔道整復師
・日本超音波骨軟組織学会認定 基礎運動器系超音波検査技師
・登録販売者(医薬品販売業)
【学位】
・修士(柔道整復学)〔東京有明医療大学〕


