2025年01月23日
膝の神経痛/伏在神経
「膝の痛み」といえば、多くの方が関節や
軟骨または靭帯などが原因となる症状をイ
メージするのではないでしょうか。
これらが原因となる痛み意外に、ある神経
が障害されて生じる痛みがあります。
それが伏在神経です。
伏在神経とは
伏在神経とは、腰から出る大腿神経より分
岐します。
分岐した伏在神経は、筋肉で構成される内
転筋管(ハンター管)を通過した後、膝や脛
の内側まで至ります。
また、伏在神経は膝周囲で更に膝蓋下枝を
分岐し、これも膝痛と関連することが報告
されています。
伏在神経の通過部である前述の内転筋管で
の障害は、ハンター管症候群といわれてい
ます。
ハンター管症候群とは
ハンター管症候群は筋肉の硬さや外傷後な
ど様々な要因で発症します。
内転筋管での障害は、ここを通過する伏在
神経を絞扼し様々な症状を発生させます。
膝から下腿(脛)の内側にかけて、いわゆる
神経痛として一般的な症状である痛みや痺
れの他、夜間痛などがみられることもあり
ます。
評価
伏在神経はレントゲンで確認することはで
きず、MRIなどを含め画像による同定が難
しい組織とされています。
症状の特徴から、半月板損傷や坐骨神経痛
などと判断されてしまうことも少なくあり
ません。
また、伏在神経から膝蓋下枝が分岐する場
所については、個人間での豊富なバリエー
ションが報告されていることもあり、しば
しば治療が難渋します。
治療
投薬や物理療法、徒手療法などによる治療
が一般的に行われます。
その他に、エコーにより伏在神経描出下で
のブロック注射などが報告されています。
当院での膝の治療に関してはコチラ↓
https://asano-kasukabe.com/knee/
最後に
「膝の痛み」といえば、関節や軟骨などが原
因と考えられがちです。
しかし、実際には伏在神経が障害されて生じ
ている神経痛の可能性もあります。
画像での評価が難しいことや、除外しなけれ
ばならない同様の症状を呈す傷病が存在する
ことなどからも、正確な評価が肝要と考えら
れます。
【参考文献】
Krijgh DD, List EB, Teunis T, Bleys RLAW, Coert JH.
The origin and course of the infrapatellar branch of
the saphenous nerve: An anatomical study.
JPRAS Open. 2022 Sep 5;34:144-151.
この記事を書いた人

あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。