2020年10月04日
アキレス腱の痛み アキレス腱周囲炎
「アキレス腱」とは、ふくらはぎにある腓腹筋とヒラメ筋が踵骨に付着する過程での共同腱です。
アキレス腱は傷んでいない場合1t近い張力にも耐える事ができる非常に強い組織です。
そんなアキレス腱の周りには滑液包や脂肪体といった、その他の組織間との干渉を防いだり神経や血管を保護する役割を担う組織が存在します。
またアキレス腱自体も神経や血管が豊富なパラテノンという膜に覆われており、これらに対し負荷がかかる事で炎症が惹起され痛み出すのがアキレス腱周囲炎です。
これらの部位に負担がかかる原因として扁平足がとても大きく関わっています。
扁平足とは足の内側縦アーチが低下した状態で、いわゆる土踏まずの問題であって一見関係がないように思えます。
しかし内側縦アーチの低下は同時に足関節の回内という踵骨が内側に傾く状態となり、それがアキレス腱を伸張するストレスとなるのです。
扁平足はアキレス腱への問題だけでなく、ふくらはぎの著しい疲労感や倦怠感などを発生させることあります。
これらの症状に心当たりのある方は、鏡やご家族に足を後ろからみてもらって下さい。
踵が内側へ傾斜していませんか?
もちろん足の形態的な異常のみでなく、上記の腓腹筋とヒラメ筋をあわせて下腿三頭筋といい、これの硬さや筋力低下もアキレス腱周囲炎の原因となります。
履き慣れない靴や女性の場合、ヒールなどもこれらの要因となるでしょう。
アキレス腱やその周囲の評価にはエコーが力を発揮します。
滑液包や脂肪体だけでなく、アキレス腱自体を横断するよに観察することも可能です。
アキレス腱の繰り返し損傷や慢性的な炎症が継続すると、最悪の場合断裂にいたってしまう事もあるのです。
治療としてまず欠かせない事は下腿三頭筋の硬さを改善する事と筋力の強化です。
もちろん先述のように扁平足へのケア、具体的には足の裏の筋肉を発達させる事等も欠かせません。
また、対症療法としてインソールやヒールパッドの装着も痛みの除去に役立ちます。
物理療法やストレッチは有効な手段の一つです。
当院ではこれらの症状に対して運動療法を積極的に行っています。
その方にあった運動方法をご指導させて頂きセルフケアの一助として頂きます。
アキレス腱や踵周囲のトラブルでお悩みの方は是非ご相談ください。
この記事を書いた人
あさの接骨院 院長 浅野剛史
あさの接骨院の院長の浅野剛史です。令和2年4月、春日部市上蛭田に当院を開設させて頂きました。
厚生労働省が認定する国家資格である柔道整復師の資格(接骨院の開院にあたり、必須の資格です)を持ち、約10年間、整形外科クリニックに勤務した後、独立開業に至りました。
医学的根拠のある施術方針をご提案して、地域の皆様の健康に貢献していきたいと思っております。